「できない理由」を並べたてて仕事を逃れようとしたり、「やらなかった理由」を並べ立てて責任を逃れようとする人は多い。できない理由を見つける努力をする暇があったら、どうすれば解決できるか考える努力をすべきだ・・・と私は常に考えている。しかし、自分の思いどおりに周囲の人が動かないのは、昔も今もあまり変わらない。
- 最近、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に興味を持って、その活用ができないか少し考えてみた。仕事として活用するのはハードルが高そうだが、自分の住む家に太陽光発電を導入するのは現実に対応可能なものと思われた。
- 問題は、私の住んでいるのがマンションであり、自分だけの判断で決めることができないことである。技術的にも、マンションに特有の問題があることは分かっていたが、そこは自分でも下調べをして、経済的にもペイするだろうとの見通しを持つことができた。
- そこで、マンションの管理組合で導入の判断をしてもらうため、私が下調べをした結果を添付した上で理事会に検討を依頼する文書を提出した(H24.8.12)。その文書の中では、「必要なら私が情報収集を手伝っても構わない」旨も書き加えた。
- 提出から1ヶ月あまり経過した9/14に理事会から回答があって、下記のようなことが書かれていて「時期尚早」だと結論づけていた。
- 屋上へ太陽光パネルを設置すると、屋上防水に関する売り主のアフターサービス(保証期間10年)の対象から除外されてしまいます。
- 太陽光パネルの設置について見積書は取得していませんが、高額になることが予想されます。
- 設置後もメンテナンスの必要性、中長期的にはパネルの交換等、維持管理費用が生じることが考えられます。
- 国の助成金制度の永続性や買取価格の単価が流動的なこと等、現段階では不透明な部分が多く、長期修繕計画にも大きく影響することが考えられます。
- 太陽光発電システムをどんな規模で導入することが考えられるか・・・という最も基本的なことすら検討された形跡がなく、それで「結論」を出してしまうことが、私には信じられないことだ。
- 防水工事は普通に行われることなので、それをセットにして施工業者から見積もりを取れば良いだけの話ではないのか。「売り主の保証期間が残っている」ことが「できない理由」になるとは・・・。
- 「高額になる」とか「維持管理費用が生じる」とか、具体的なデータも示さずに想像に基づいて漠然と述べているだけで、何の説得力もない。
- 「国の助成金制度の永続性」とか「買取価格の単価が流動的」だとか書かれていたが、まったく意味を理解していないことが明らかだ。「固定価格買取制度」の「固定」の意味をどう解釈したのか聞いてみたい。国の助成金制度については、導入した者に対していつどのように助成すると思っているのだろうか。謎だらけの回答だ。
この回答では「やらない」という表現は使わず、「現段階では」とか「時期尚早」という表現を使っており、判断を先送りしたような形になっている。しかし、いつまで何を待つのか具体的な説明はなく、本音としては「自分たち理事の任期が切れれば話は終わり」とたかをくくっているのだろう。
「できない理由」を並べ立てる人の説明は、総じて抽象的で根拠が曖昧だ。そんな人を論破するのは簡単だが、論破してものごとが変わるかどうかは別問題なので、頭の痛い日々が続きそうだ。