責任ある立場の人が思いつきレベルで語るのはどうかと・・・

日本が原発ゼロを目指すことの是非について、自由民主党の石破茂前政調会長がテレビの討論番組の中ででこんな発言をしていた(細部まで正確な表現ではないかもしれないが)。

<ここから>
原発ゼロなんてできるはずがありません。だって、日本は電気自動車の普及も目指すわけでしょ。電気自動車の充電には夜間の電力を使うんですよ。その夜間にずっと発電できるのは原子力発電しかないわけで、それをゼロにできるわけないでしょ。

<ここまで>

  • 石破茂氏は立派な政治家だと思うが、このような発言を聞くと、エネルギー問題などは明らかに不得意分野だと思われる。こんないい加減な論理でエネルギー政策の方向性を決められたら、たまったものではない。
  • 原子力発電はベース電力をまかなうために使われてきたため、夜間では原子力発電への依存が高かったのは確かである。しかし、原子力発電がゼロになったとしても、夜間に電力が確保しにくくなるという話ではなく、電源構成を変えれば良いだけの話だ。
  • つまり、これまで原子力発電がベース電力をまかなうために使われてきた理由を正しく理解してから論ずるべきだっただろう。「原子力発電以外ではできないから」と曲解して論ずるのは如何なものかと思う。
  • その解釈が正しいかどうかは別として、原発ゼロの是非を論ずる根拠として「電気自動車の普及の必要性」を取り上げるとは、ある意味では「斬新な発想」なのかもしれない。しかし、国政の方向性を判断するような責任ある立場であれば、思いつきレベルとも思われる発言は慎んだほうが良いのでは・・・と言いたくもなる。
  • ちなみに、私自身は原発ゼロが望ましいのかどうか、確信には至っていない。結果がどうであれ、確実な根拠に基づいて判断すべきで、まだ自信を持って意見を述べるには至っていない。自信がないことについては、断定的な意見を述べないほうが良いとも考えている。

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